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野良猫への餌やりは条例で禁止されている?京都であった餌やり妨害事件の裁判より


2017年12月20日に、ニュースサイトの朝日新聞デジタルに以下のような記事が掲載されました。

野良猫の餌やり「禁止」は誤解? 激しい住民トラブルも

京都市で野良猫に餌やりをしていた女性らが、男から「餌やりをするな」「やめないなら街宣車を送り込む」などと怒鳴られる住民トラブルが昨年7月に発生。京都地裁は今年3月、餌やりを妨害した男に損害賠償を命じた。

 女性らは、野良猫を保護・管理する「地域猫活動」の一環として餌やりをしていた。被害者の代理人を務めた植田勝博弁護士によると、事件が起きた背景には京都市が2015年に施行した「動物との共生に向けたマナー等に関する条例」があったという。「条例によって地域住民は、野良猫への餌やりが悪いことである、あるいは犯罪行為であると誤認した。結果として住民同士のいがみ合いが生じ、餌やりへの妨害行為が事件にまで発展してしまった」

この裁判をすでにご存知の方もいるかもしれないし初めて聞いたという人もいるかもしれません。しかしこのサイトをお読みの多くの方がこの判決に驚いたのではないでしょうか。

  • なぜ餌やりをしている人が許されるのか
  • なぜ餌やりを注意した人が負けて、しかも賠償金を払わないといけないのか
  • なぜ条例に違反している人が裁判で勝ったのか

このように混乱してしまうかもしれません。

しかしこの判決には理由があります。この事件を正しく理解するためにも、もう少し詳しく見ていくことにしましょう。

そもそも餌やりは京都市の条例で禁止されているのか?

このニュース記事にもある「動物との共生に向けたマナー等に関する条例」とは、平成27年3月20日に京都市が全国に先駆けて制定したマナー条例です。

京都市ホームページ

野良猫に限らず、飼い猫や飼い犬など動物の住民トラブルが社会問題と課していることから飼い主と地域住民、または犬や猫を保護・管理する人へマナーを守りましょうと呼びかけるものがこの条例です。

当初は「京都市動物による迷惑等の防止に関する条例」という名称でしたが、平成27年7月1日に「京都市動物との共生に向けたマナー等に関する条例」という名称に変更され、迷惑防止という視点からもう一歩すすんだ動物と人との共生をテーマにしたものになっています。

餌やりを妨害した男性はなぜ裁判で負けたのか?

この裁判での判決には大きく分けて2つのポイントがあります。①京都市条例に対する誤解②言動が恐喝・強要になっていた、という2点です。

1. 京都市条例に対する誤解

先にもふれたように京都市には動物との共生をテーマとしたマナー条例があります。そしてその中には野良猫に対する「不適切な給餌の禁止」を示す箇所があります。

実はこの「不適切な給餌の禁止」という一文が曲者で、野良猫への餌やり自体をすべて禁止としている訳ではないのです。
あくまで不適切な餌やり、つまり近隣の住民に迷惑にならない範囲で行うこと、具体的には給餌する場所を清潔に保ち悪臭を発生させないことや猫の糞尿などを適切に処理すること、給餌は猫の避妊手術を目的として行うこと、などが求められます。

要するにこの京都市の条文は餌やりそのものを禁止している訳ではなく、不適切な餌やりによって猫の繁殖や糞尿問題が発生し、近隣の人の迷惑になることを問題視している訳です。

一方で男性はこの条例を間違って解釈し、「餌やり=違法」と思って妨害をしていたことになります。

しかしこの条文を読むと「不適切な餌やり」がある一方で、「適切な餌やり」もあるという言い方をしているようにも取れます。野良猫の被害に遭われた方には納得いかない部分もあるかもしれません。

では一体、「適切な餌やり」とは一体なんなのでしょうか?

京都市条例が示す「適切な餌やり」とは?

結論からいうと「TNR活動を目的とした餌やり」は適切な餌やりとされています。

TNR活動ってなんだ?と思われるかもしれません。

TNR活動とは、Trap(捕獲)、Neuter(不妊手術)、Return(元の場所に戻す)という3ステップを基本として地域猫の活動のこと。野良猫問題の根本にある繁殖を防ぐことができるため、日本に限らず海外でも取り入れられている活動です。

このTNR活動においてもっとも難しいのは野良猫の捕獲です。ただでさえ警戒心の強い猫が野生にかえっていることで、なかなか捕獲させてくれません。そのための一環として野良猫に餌やりをして警戒心をとくのは重要なステップなのです。

野良猫へ餌を与える方に守っていただきたいマナーについて(PDF)」には以下のようにも書かれています。

6. 餌をやる猫は、避妊去勢の済んだ猫これから避妊去勢をしようとする猫、また、保護、譲渡をしようとしている野良猫だけにしてください。

また、餌をやる猫を増やさないよう、次のようなことに気を付けてください。

○餌をやる方1人につき5頭以下を目安としてください。
○管理していない猫には餌を与えないでください。また、管理の記録を取りましょう。
○避妊去勢や保護,譲渡するために餌を与えるときは、計画を立て、実行してください。
○万一,子猫が生まれたときは、適切な時期に保護、譲渡などをしてください。

7. 餌を与えている猫を野良猫のままにしないよう、保護、譲渡などに取り組んでください

今回のこのトラブルでは、餌やりをしていた女性側は野良猫に去勢・避妊手術をすることを目的とした活動をしていたようです。ゆえに適切な餌やりと判断されたのでしょう。

しかし野良猫を捕獲し去勢・避妊手術を受けさせたとしても、結局元の場所へ返してしまうのでは野良猫の数は減らないのではないか、と思う方も少なくないでしょう。また心情的にも納得できない部分があるかもしれません。

ただこの活動自体を禁止してしまったときのことを想像してみてください。野良猫を去勢・避妊手術をしてくれる人は誰もおらず、街中で野良猫が交尾・繁殖を繰り返してしまう。もしかしたら被害は今以上に広がるかもしれません。

そう考えるとTNR活動をしている人たちというのは、決して私たちの敵ではなく、むしろ味方だと言えるのかもしれません。

2. 言動が恐喝・強要になっていた

餌やりを止めた男性は、「ぶっ殺す」「街宣車を送る」「家の前をぐちゃぐちゃにしてやる」「車の修理代として❍万円払え」など恫喝のような言動をとったことがこの裁判では問題視されました。

また、自転車で立ち去ろうとした女性に対して自転車のハンドルを掴み揺さぶったため、暴行などによる損害賠償がとられてしまったようです。

餌やりを口頭で注意しただけであればそこまで問題になることもなかったでしょう。

ちなみに裁判では原告と被告には以下のような判決が出されました。

被告(餌やりを妨害した男性)は原告AとB(餌やりをしていた女性と男性)に恐喝ないし強要の不法行為とし6万円ずつ、原告A(餌やりをしていた女性)に暴行として4万円の支払いを命じた

この野良猫餌やり裁判から学ぶべきこと

この事件と裁判の判決はもしかしたらあなたの心をざわつかせるかもしれません。TNR活動による餌やりが認められていることがわかったとしても、野良猫の被害にあっているあなたにとって中々受け入れることはできないかもしれないのはよく分かります。

ただここで伝えたいのは、こういったボランティアでTNR活動をしている人が必ずしもすべて敵ではないということです。野良猫を減らすという言ってしまえば利害が一致している味方でもあるのです。

また一見正しくみえる行動でもこのトラブルのようにやり方を間違えてしまうとあなたが加害者になってしまい得るということです。少なくともいきなり怒鳴ったり妨害行為に走るのではなく、口頭での注意などから始めないと後でえらいことになりかねません。

また当事者同士だと解決しなかったり角が立ちやすかったりするので市役所や自治体などに相談していくのがよいでしょう。

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